【本日の学び】情報セキュリティの基盤技術「暗号」の授業を終えて

情報セキュリティの基盤技術「暗号」の授業を終えて

トータル山本

今回は、放送大学「情報セキュリティ概論 – 第3回」です。
今回の講義も、東邦大学の金岡准教授によるものです。
テーマは、情報セキュリティの基礎である暗号について。

ぜひ最後まで読んでみてください。

情報セキュリティの基盤、暗号技術とは?

講座の冒頭で紹介されたのは、「暗号技術」についてでした。
日常的に耳にする「暗号」という言葉ですが、その背景には非常に奥深い技術が隠されています。

暗号技術の基本は、情報を秘匿するために一定のルールに基づいてデータを変換すること。
この技術は「CIPHER(サイファー)」とも呼ばれ、古代から使われ続けています。
現代の情報セキュリティの重要な要素として挙げられるのが「クリプトグラフィー」です。
単なる暗号化だけではなく、データの改ざん防止や認証といった幅広い技術群を含むこの概念のおかげで、私たちは安心して情報をやり取りできるのです。

古典暗号と現代暗号の違い

主な違い

古典暗号と現代暗号の違いは、大きく以下の3点に集約されます。

  1. 情報の秘匿対象
    古典暗号では、暗号化の方法(アルゴリズム)自体が秘密とされていました。
    一方、現代暗号ではアルゴリズムが公開されており、秘密にするのは鍵だけです。
    これは「鍵以外の情報が公開されても安全でなければならない」というKerckhoffsの原理に基づいています。
  2. 計算機の利用
    古典暗号は計算機を使わない時代に設計されており、手作業で暗号化や復号を行うため、複雑なアルゴリズムは使えませんでした。
    現代暗号は計算機の利用を前提としているため、複雑な計算を必要とする高度なアルゴリズムが使用でき、より高い安全性を確保できます。
  3. 安全性
    古典暗号は経験則に基づいて設計されていることが多く、安全性の体系的な評価は行われていませんでした。
    一方で現代暗号は数学的な理論に基づき設計され、世界中の研究者による安全性評価が行われています。

現代暗号の利用例

現代暗号は私たちの日常生活で広く活用されています。

  • インターネット通信
    TLS/SSLプロトコルで、通信内容の暗号化や認証に利用されます。
  • 電子署名
    電子文書の改ざん検知や本人確認に使用されます。
  • 仮想通貨
    ビットコインなどの仮想通貨の取引の安全性を支える技術として用いられています。

PKIとPGPの仕組みの根本的な差異

公開鍵暗号を用いたセキュリティ技術には、PKI(公開鍵基盤)とPGP(Pretty Good Privacy)があります。
どちらも公開鍵暗号を活用していますが、その信頼の根拠に大きな違いがあります。

PKI(公開鍵基盤)

PKIでは、認証局(CA)と呼ばれる信頼できる第三者機関が、公開鍵の正当性を保証します。

  • ユーザーはCAに公開鍵を登録し、審査を経てCAが証明書を発行します。
  • 証明書には公開鍵とユーザーの情報が含まれ、さらにCAの電子署名が付与されています。
  • これにより、受け取った公開鍵が本当にそのユーザーのものであるかを、CAの信頼性に基づいて確認できます。

PKIは、大規模なシステムで広く利用されており、電子政府や電子商取引などにおいて重要な役割を果たしています。

PGP(Pretty Good Privacy)

PGPは、信頼の輪(Web of Trust)という仕組みを用いて、公開鍵の正当性を保証します。

  • ユーザーは、自分の公開鍵を信頼できる相手に直接渡したり、公開鍵署名会などで互いに署名し合うことで信頼関係を構築します。
  • 他のユーザーの公開鍵を信頼するかどうかは、自分の信頼する人がその鍵に署名しているかどうかで判断します。

このように、PGPは中央集権的なCAではなく、ユーザー同士の信頼関係に基づく仕組みを採用しています。
PGPは、個人間のメールの暗号化などで利用されることが多いです。

PKIとPGPの根本的な違い

仕組み信頼の根拠
PKI信頼できる第三者機関(CA)
PGPユーザー同士の信頼関係(Web of Trust)

メリットとデメリット

  • PKIはCAの信頼性を基盤にしているため、大規模なシステムでも安心して利用できます。
    ただし、CAの運用にはコストがかかるため、比較的高価になる傾向があります。
  • PGPはCAのような第三者機関が不要なため、低コストで利用可能です。
    ただし、信頼の輪の構築に手間がかかるため、小規模なシステムでの利用に適しています。

どの仕組みを採用するかは、システムの規模や要件に応じて適切に判断する必要があります。

安全な情報のやり取りを支える公開鍵基盤(PKI)

講座の最後では、PKIの仕組みについてさらに詳しい解説がありました。
信頼できる認証局が公開鍵の正当性を保証することで、なりすましのリスクを防ぎます。
また、TLSなどの通信を保護する技術の実用例も紹介され、暗号技術がいかに私たちの日常を支えているかを実感しました。

最後に

トータル山本

今回の講座を通じて、暗号技術が私たちの日常生活をどれだけ支えているかを改めて実感しました。
普段何気なく使っているインターネットの裏側には、これほど多くの高度な技術が存在しています。

皆さんも情報セキュリティの基礎を学ぶことで、より安全にデジタル社会を楽しむことができるはずです。
ぜひ興味を持ってみてください!

情報セキュリティを学ぶことで、より安心な未来を築きましょう!

投稿者プロフィール

トータル 山本
トータル 山本代表社員
こんにちは。トータル山本と申します。

田舎暮らしのフリーランスクリエイターです。
情報デザインをビジネスに活用することを実践し、お伝えするのが仕事です。

のんびりと自然に囲まれながら、日々クリエイティブな仕事を楽しんでいます。

起業してから早25年以上!その間、なんとかデジタルの波に乗り、ITに閉鎖的な地方でやってきました。

私のモットーは「自由な時間」。
建設業界にいた30年ほど前は、朝6時に家を出て、夜12時に帰宅。
そして資格試験の勉強を深夜2時まで行い、土日も出勤していました。
残業手当は微々たるもの。
そんな、ザ・昭和のブラック労働を20代前半に経験した私にとって、「自由な時間」の獲得が最大の目的です。
そのために、仕事にも健康にも真剣に向き合っています!

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